⑥犬とハイキング: 遭難、鷲に襲われる、嵐再来編【スウェーデン北部『クングスレーデン』】

昨日の記事から続いています。


⚫︎本日の行程⚫︎

チャクチェ ステーションの手前にある避難所の手前⇒⇒チャクチェ ステーション⇒⇒アーレスヤーレ ステーションの手前

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朝、晴れており、昨日の嵐はなんだったのか?

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風はまあまあ強く、おかげでテントも乾き、レインウェアも着ながら撤収作業していたら、すぐに乾きました。

アルエルのスリングも風に当て、雨除けとして使っていたIKEAの防水シーツは、カバンに干しながら歩く事に。


アルエルは撤収中、まだ眠そうにしてました。ごめんね、連れまわして…

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出発!

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まずは、この峠を越えなければ。

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峠はやはりまだ少し続き、登り切ったところに、昨日お兄さんの言ってた避難小屋がありました。

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その後、峠を降りたところで、無事小川を発見。
水をとり濾過して飲み水をつくります。

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トレイルは、アビスコ側から歩く人が多いため、向かってくる人が多いです。

すれ違いざまには、「ヘィ!」と、挨拶するのが通例。スウェーデン語の挨拶です。


「朝」は大抵、ヘィ!では終わらず…ヘィ!からの、おしゃべりが始まります。
…いや、朝はみんな元気なんですね。

そして、ワンズ連れで歩いてるから、声かけられやすいのかな?
毎度話し込んでしまい、なかなか先に進まない(^^;)


この水場では、オランダ人とスウェーデン人の男性2人組に声をかけられ、話し込みました。

オランダ人のお母さんは、今はコッカーらしいが、前のわんこは、なんとウエスティだったと。

お白) 絶対いい人だー。

犬連れの旅、羨ましいなー、ワンコも幸せだねーと、アルエルは撫でまわされてました(^^)

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その後も、石がゴロゴロしていて、なかなかに足を削られるゾーンを歩きます。
そのため、歩くスピードもゆっくりになり、休憩も増えます。


そんな時、ドイツ人の女性1人旅の方とすれ違い、今回もヘイ!から始まり、ワンコネタにはいり、またもや立ち止まって数分話し込む。

お白) 休みたいから話してないか?ママ…

15年程前に、日本に住んでいたことあるそうな。しかし、今はほぼ日本語は忘れたと。
ありがとう、ごちそうさま、と二語は話せてました!

お茶々) なぜその2語なんだ?食いしん坊か?


テントもたず歩いてるから、ケネルカイセ閉鎖されてるし、二個分のステーション歩くのは無理だろうし、ボードつかうか、南の他のステーションへ行くか迷っている、と。テントあれば好きなところに張れていいわよねーと。

やはり、ステーション閉鎖は、なかなか大変のようです。

しかしですねぇ、テント張るのもなかなか大変なんですよ。
どこでも自由にテントを張る権利はあれど、案外どこにでも張れるって訳はなく…(ー ー;)


ドイツは夏休みが6週間あるから、日本は5日しか無いの、信じれないわーとも話しました。

因みに、スウェーデンもそれぐらいはある。日本は、確かに短すぎる。そのためハードなお休みになるんだ…

お白) 休みのための休みが欲しい。

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お昼前、チャクチェ ステーションに到着。

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丘の上にあるためか、風がすごい。

しかし、どうしても焼きそばが食べたくて…風の中、なんとか作り食べました。

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そして、朗報!
ここの野外トイレは、最高です。
ぼっとんなのに全く匂わない!すごい!!

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水汲み場には、小さな滝があり、水浴びしたら気持ちいいんだろうな。でも、寒そうだし、時間ないし。水だけ調達。

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13時過ぎ、出発

ここからが、地獄のはじまり…

ステーション内の標識がこっち向きだったので、その方向に進むと、トレイルの赤マークが見当たらない。

向こう岸にトレイルが見えるから、やはり橋まで戻るのが正解だと思うが。標識はこっちを指してるし…


で、とりあえず、進んでみる。

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が、どんどん丘を降るも、正規ルートぽい道の間に大きな川があり、その川を渡れそうなところはない。

やはり、トレイルの赤マークが一つもない。
どうする?引き返す?

パパ) いけるって。ほら、あそこ渡れそうやん。


丘の上から降り、パパが指差した場所までくるも、川の流れも早いし水深も深そうだ。



で、その頃には、かなり丘を降っていたので、もはや戻る気力も無くなり、そのまま更に降りて行く。

お茶々) 引き返す勇気っ

まぁ、だから遭難するんだよね…


その後、滝になってるところや、巨大な岩のところなど、どう考えても危ないところが続きましたが、更に降ると、なんとか渡れそうなところを発見。

必死に渡りました。
ハイカットの山靴を履いていたのですが、もれなく浸かる。

特にパパは、川の前で滑り、お尻を強打。その後、川でも滑り浸かりましたが、どちらも抱っこしていたアルフィンは離さず、無事。 

お白) 当然だ。

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その後、乾かしながら、道なき道を進みます。

なんとか、トレイルに合流。
1時間ほどのサバイバル。

高い木は一切ないので、川の向こうの正規トレイルは見えてるし、道迷いのリスクはないけれど、やはり川を渡るのは怖かった。
引き返す勇気、教訓にしたいと思います。


※因みに、クングスレーデンは、一応正規トレイルがありますが、それ以外のどこを歩く事も許されています。自然享受権すごいや。


そして、危機的状況では、写真を撮る余裕がなく、またもや同じ過ちを。この冒険の写真、一枚くらい撮っときたかった…残念。

パパ) 我々が見た景色は、ステーション内の標識の矢印方向に降りていけば見れます。見たい方はどうぞ!

…おいおい。


無事にトレイルにもどれたので、休憩をとりました。

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その後、広いひらけた所に、真っ直ぐの道が続くという地形にでました。

道を進んでると、急に後ろから鳥が飛んできて、急降下して向かって来ました。

エミルを狙ったのか?なんかの威嚇なのか?白とグレーの色をした鳥。

とっさに、リードを引きよせて、なんとかしのいだ感じです。
鳥はエミルの1メートルほど横を通り抜けていきました。

なんだ?こわっ。

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その後も鳥は我々の頭上を旋回。
変な鳴き声を出して、2匹になり、さらに襲って来ます。

これ、かなり危ない感じがする。
ワンズをスリングに収納し、早足で逃げます。


しかし、鳥も何故か諦めない。
何度も急降下して、我々のすぐ横をすごいスピードで抜けていきます。
しかも近くで見ると、結構デカイ鳥。必死にかわします。


このままじゃ、埒が開かない、何とかしなきゃ!

大声を出しながら、トレッキングポールを空に向けて振り回して、威嚇してみました。

お白) 剣道2段のママ。叩き落としたろうかっ、て言ってました…こわし。


そのうち諦めたらしく、襲ってこなくなりました。いやぁ、怖かった。

※この時は、何の鳥か分からなかったのですが。見た目はウミネコみたいなので、近くに巣があり、雛を守るために威嚇攻撃して来たのか?とか思っていました。
しかし、のちに、この鳥が鷲だった事が判明。エミルを野うさぎか何かと間違えて、獲物として本気で狩ろうと襲って来ていた模様。無事でよかった。

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その後もひたすら進んでいきます。

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向こうから来た方に、この先、川が氾濫してるところあるよと、教えてもらいました。

いくと、多くの人が立ち往生している。


しかーし、こんな沢、さっきの遭難時に渡った沢に比べたら、全然余裕!

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止まる事なく、そのまま進みます。

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15:30頃、パパから、今日はこの辺りにテントを張ろうと提案が。

いつもより早い。
いやぁ、でも無理だろう、ここは。
…晴れてはいるのですが、すごい風が吹いてました。


しかし、昨日の疲れがとれておらず、今日も遭難や鳥に襲われる事件があったので、確かに早く休みたい。
すぐに、平地を見つけ、テントを張ろうと試みました。


…吹っ飛びました。
ポールもやや曲がりました(T_T)


地面の大岩の表面に、苔や低木が茂っただけのグランド。ペグもあまり刺さらない。
一箇所だけは、全くペグが刺さらず、石のみで固定したが、やはり無理だった。

この辺りには張れ無さそうなので、諦めて先をいきました。

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しかし、その後、さらに風は強まり、立ってるとよたるほどの突風。

お白) 台風中継みたいな感じ。


その後も、風を凌げる場所がなく、テントが張れそうにない地形が続き、かれこれ、2時間ほど歩きました。



そろそろ限界。
早くテント張れるところを見つけなきゃ。

周りには誰もいなくなり、しかし、風は一向に止まない。

そんな中、荷物を持たずに、カメラ一個もったおじさんが後ろから来ました。

すかさず、話しかける。
この辺りで、テントはれそうなところ知らないですか?風が強すぎて、さっき試しに張ったら、飛んでしまい。小川など、水場が近くにあればなお良いのですが。

おじさん) 風、どうだろう、どんなテント?風に強いやつなら、窪地見つけたら大丈夫だと思うよ。この強風なので保証はできないけどねー。ちなみに、次のステーションまでは、あと二時間ほどかかるよ。
水はねぇ、その先の大きな川の水は、山からのミネラルが多すぎて白くなってて、体に悪いから避けた方が良い。小川は数箇所あるけれど…そこの小さな湖のは飲めるよ。あと、この実は食べれるよ。あげる。

とても親切なスウェーデン人のおじさん、何度もクングスレーデンを歩いている方らしく、色々教えて頂きました。

実はクラウドベリー。道の横にあったので、ワンコのチィが不安でしたが、勧められるがままに食べました。案外美味しい。

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この風で、心折れそうになってたけど、我々以外の人がいた事、そして会話ができ、優しいおじさんに出逢えたことに、少し元気が出ました。

…とりあえず水を確保しようとその湖を見るも、流れのない溜池みたいな湖。
おじさん、すみません…日本人ビビリなんです。若干危なそうだから水汲みはやめときます(苦笑)



そこから風を凌そうな窪地と小川を探して、さらに進みます。

が、そんないい場所はない。
水は諦め、とりあえずテント建てれそうな場所を探す。

少し大きな岩のうしろとか、可能性ありそうなところ見つけるも、地面が硬い岩になってて、ペグが全く刺さらない。

やばい、これは困った。
時間もどんどん遅くなり、強風で体力がかなり消耗していく。

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気づけば、18時過ぎになっていました。

パパ) 遠くでゴロゴロッと、雷の音したから雨降るんじゃない?

空を見ると、遠くの方の空が真っ暗。
確かにまた嵐が来そうな感じ。


水場はないが、雨が降る前にはテントを張りたい。
トレイルから少し離れた平地を探すも、やはりペグが刺さるところは、一切みあたらない。

や、やばいぞ。


トレイルのすぐ横に少し平地になったところがあり、ここならなんとか張れるか?ペグも頑張れば刺さる。
風除けはなく、窪地でもないが…近くに大きな石が何個かあるから、補強もできそう。

トレイルのすぐ横はあまりよくないのは分かってはいるのですが、もう誰も通ってない。トレイルから離れるのも怖いほどの風が吹いている。許してください…

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強風の中、出来るだけ大きな石を探し、必死に運び、補強しながらなんとか設営しました。



テントの中に入ると、風でテントのポールがグングンと何度もしなり、テントが変形。
大丈夫なのか?

夕飯を作るために、お湯を沸かしたいのですが、風が強すぎて…
外では絶対無理だし、風で何度も変形するテントの前室で沸かすのも危なそうなので、諦めました。


しかし、寒い。。。
水を飲み、サラミを食べしのぐ。
手持ちの水は残り1.5L程しかなく、若干不安。



その頃から、恐ろしい雷と雨がはじまりました。
嵐が来たのです。


雷の光と音に、アルフィンは震えて挙動不審に。
落ちないよね?雷。
しかし、避難する場所もない。

何度もテントが曲がるほどの突風が吹きつけて、ほんとに怖くて不安で泣きそう。
周りに人もいないから、何があっても誰も気づかず吹っ飛ばされて、下手すりゃ死ぬ?

でも、次のステーションまでは、まだ遠かったので、あのまま歩いてたら、雨に降られ、雷の中歩く羽目になってし、それはそれで危険だったと思うし…


今夜は無事に過ごせるのだろうか。
明日、朝は迎えれるのか?

長い夜が始まりました。


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